オーガニック革命

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ちょっと前に読んだいい本をご紹介。

「何をいまさらオーガニック?」
始めてこの本のタイトルを見た時に、まずそう思った。
著者は、その昔ハイパーメディアクリエイターという肩書きで活躍していて、現在は映像作家、DJ。2007年に日本を離れしばらくロンドンで暮らし、その後スペイン、現在はオーストラリアに在住。本書は、2007年に定住をやめてから最初に住んだ土地、ロンドンで学んだ新しい思想と潮流 ー 「オーガニック」をテーマに書き下ろしたとのこと。そうくれば、自称イギリスのオーガニックものにちょっとうるさい私は、読まないわけにはいられない。

本の内容は、華やかで物に溢れた生活を捨てて日本を離れた著者の目を通して見た、イギリスのオーガニック潮流について語られている。著者が感じた“オーガニック”を、イギリス経済の歩みや文化、データ等も交えて解説しながら、それらを通して現代の流れに結びつけ、21世紀を生きる私たちのライフスタイルがどう変化すべきか語る視点は、うんうんと納得をしながら読んだ。
多くの物を持たずに、物や仕事に縛られずに、定住をせず、世界のどこからでも仕事をして(フランスの経済学者ジャック・アタリの言うハイパーノマド)、もっと自然に近い環境で、体にも地球にもいい食べ物を食べて暮らす。理想的だし、是非そうしたい。できることなら。

日本とイギリスにおけるオーガニックに対する意識の違いの比較もおもしろい。日本の昨今のエコブームは表層的な行為だけで、エコバッグを持つという行為だけで安心して、自分の行為の意味や影響を考察しようとしない。比べてイギリス人は行為そのものより心底に流れるスピリットを大事にし、なぜ自分はそうするのかという問いかけが前提にあり、自分也の判断で行動する。誰もやらなくても自分がいいと思ったら行動する。まわりがやっているから自分もやるという日本人的な発想は、彼らにはない、等。本全体を通して、イギリスに住んでいる方、住んだことのある方にはとても興味深い内容だと思う。

ところで、著者が現在住んでいるオーストラリアのバイロンベイという町、彼のブログの写真を見る限り、ちょっとヒッピーテイストでいい感じ。ナチュラルボーンフラワーチャイルドの私は、60'sっぽいドレスを着て、この写真の中の人たちに混じって芝生に座って歌っていても、全然違和感なさそう(笑)。雰囲気がちょっとWOMAD フェスに似てるね。いつか行ってみたいな。

オーガニック革命 (集英社新書)

オーガニック革命 (集英社新書)