「東北関東大震災を世界はどう報じたか」を読む


私のブログによく登場するこの雑誌クーリエ・ジャポンは、全世界1000以上のメディアからの抜粋した記事を和訳して掲載している雑誌です。1990年から発行されているフランスの雑誌、クーリエ・アンテルナショナルがヒントになっているのだとか。そして表紙を飾った言葉 " Never Ever Ever Give Up! " が目を引く今月号の特集記事は、「東北関東大震災を世界はどう報じたか」でした。世界各国指折りのジャーナリストが夫々の視点で語る今回の日本の惨事について、印象に残った部分を少し紹介します。
まずはイギリスのデイリー・テレグラフが、「この国はどんな苦難にあってもより優れたものを再建した、日本は秩序と無秩序が共存している、日本文化は諸行無常である」と謳いあげ、アメリカのニューヨーク・タイムズの記事では、「人間は自然の一部にしかすぎない、不平不満を口にせず、共同体として立ち直ろうとする精神は日本人の魂に深く根付いている」と書かれていました。またフランスのル・モンド紙は、「驚くべき自制心はどこからくるのか、日本人の冷静さは仏教の教えが心情にしみ込んでいるからだ」(フランスっぽい)と分析し、お隣の国韓国の中央日報には、「日本には、共に泣く隣人がいる」との言葉も。個人的に興味を持ったのはロシアのジャーナリストの記事で、「日本人が最も恐れる4つのものを表すことわざ、地震、雷、火事、親父、に例えて、地震の脅威と隣り合わせに生きてきた日本人は、今回のような惨事がいつ何時起こるかわからないという自覚を誰もが持っている、この自覚は揺らぐことのない国民性の一部をなしている」と語っています。子供の頃から防災訓練等を通して地震への対処のしかたを学ぶことで、非常時にどう行動すべきか心得ていることが紹介されています。当事者の私たち日本人からすれば、防災訓練を9月1日にするのは当たり前で育っのですが、そうですね、言われてみれば、災害時の日本人の冷静さは、子供の頃から暗黙で行われてきた訓練の賜物なのかもしれません。最後に、イギリスのファイナンシャル・タイムスが「この災害で日本は精神的に強くなる」と語るように、本当に本当にそうであってほしいと心から願います。
今月号のクーリエは、他にも興味深い記事が一杯で、特集の「なぜ中国人や韓国人は日本人よりも英語ができるのか?」や、ニューヨーク・タイムズ記事の「既得権益に守られた中高年層が日本の若者から未来を奪う!」はもう、私は一番に声をあげて訴えたい内容で、読み応えたっぷりです。このへんは時間のある時に、明日以降の日記でまた詳しく書きますね。
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COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2011年 05月号 [雑誌]

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