腰がとほほ


あらら〜、2年ぶりにやってしまいました。運動していた際微妙な角度で腰を落としてしまい、その時にかなりの負荷をかけたようで、背骨の根元の骨がグギッと。これって、世間でいうぎっくり腰なのかしら? 20代の時に、何が楽しくてか3日に1回ライブに通い続け、過労が背中に溜まり、ついには歩けなくなって、カイロプラクティックに通院した経験あり。それ以来、何かにつけて背骨の根元、尾てい骨から2つ目の骨がズキンと痛むのよね。

てなわけで、腰の痛みを言い訳に休日は引き蘢りました。ここ半年程、毎週4、5本のペースで映画を見ていますが、先週末見たのは、<ウディ・アレンの「私の中のもうひとりの私」、ガス・ヴァン・サントの「ミルク」と、ジョナサン・デミの「レイチェルの結婚」、ケン・ローチの「この自由な世界で」です。
どれも好きな監督の作品ですが、中でもダントツ良かったのは「私の中のもうひとりの私」。ストーリーは、50歳の哲学教授マリオンは外科医の夫や娘と平穏に暮らし、何不自由なく幸福な人生をおくってきたはずでしたが、ある日執筆のために借りたアパートで隣室の精神科医に通う女性の告白を耳にして、その告白の言葉が自分の内なる言葉であるかのように自身の人生振り返り、自分の人生は正しかったか、過去の選択は間違っていなかったかを問いながら、真の人生を歩みだすというもの。主役のマリオンを演じたジーナ・ローランズの演技がとにかくうまいし、何より、その芝居がかった(芝居ですが)台詞の掛け合い、誰もが経験する人生の様々な選択の正誤性を問う心理描写は、もうウディ・アレン作品の極みでした。ちょっと地味な印象もうける本作品ですが、彼の作品の中で一番のお気に入りになりました。
ガス・ヴァン・サントは、彼の映画で大きくなったような気がする位、若い頃からずっと見続けてきた監督なので、ストーリーがなんであれ、ガス・ヴァン・サント映画というだけでオーケーです。今回はミルク、で、アカデミー受賞作品。ショーン・ペンのオカマっぷりもかわいいですが、それ以上に恋人役を演じたジェームズ・フランコが、まじ好みでかわいいです。
レイチェルの結婚は、羊たちの沈黙監督作品で、意外や意外、ハンドカメラのフラフラと荒れた映像でホームビデオっぽさを演出、雰囲気があっていいのですが、主役のジャンキーリハビリ帰りのアン・ハサウェイが、キレて口論をする度に自分目線でしか物事を見ず、アンフェアだと訴えるシーンでは考えさせられるものがありました。(これは在英時の人間関係で経験したことですが、法も軽くまたがった話なのでここには書けません)
最後はケン・ローチカンヌ映画祭常連で、言わずもがなの英国映画界の名匠。社会派映画が多いため好き嫌いが別れると思いますが、この自由な世界では、シングルマザーが外国人労働者斡旋会社を始め、気がついたら違法滞在者をも低賃金で斡旋すると言う危ない橋を渡り、終いに賃金未払い、移民局通報、キレた移民たちからの報復など、負の連鎖が否応無しで展開されていきます。これも英国の現実。う〜ん痛すぎる。でも現実。
一番万人向けは、いろんな意味でアメリカ映画の「ミルク」かな。

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