今度はオノヨーコから電話がかかってきた〜!





本日8月6日から3ヶ月間開催されている「ヨコハマトリエンナーレ2011」を見に、横浜市美術館へ行ってきました。ダミアンハーストの蝶の絵画や、大好きな石井徹也の作品、アラーキーの写真や横尾忠則のドローイング等ひと通り見た後に、ロビー中央に展示されているオノヨーコの作品、“TELEPHONE IN MAZE” に参加。靴を脱いで4、5人ずつ交替でアクリル板で仕切られた迷路を進みます。中央部分の小部屋には受信専用の電話機が設置され、会期中毎日、1日数回、ヨーコ本人がここへ電話をかけてくるんです。偶然居合わせたラッキーな人は、受話器をとれば、ヨーコ本人と直接話ができるるという、ユニークな作品なんですよ。でも、こういうのって、本当にかかってくるの?本当に本人?て思うでしょ。
かかってきました〜〜!
この一番下の電話機の写真を撮った後にこの部屋を離れようとした所、ジリリリリーーー!と警報のような目覚まし時計のような音が鳴り響いて、キターーーッ!と。ロビーにいるみんなに緊張感が走り、こっちの迷路向かって走ってくるのがアクリル板越しで見え、同時に、迷路の外から「電話をとってください」と係の人の声が。一昨日ヨーコと話したばかりなのに何ていう強運なの、と自分でも信じられずに受話器を取り、「もしもし」と。反応無し。二度目の「もしもし」にも反応無し。いたずら電話?と考えていたら若い女性の声で英語で「Hold on.」と聞こえ、すぐにオノヨーコさんご本人が電話口に。彼女のお人柄が伝わると思うので、覚えている限りで交わした会話をあげてみると、

ヨーコさん:「こんにちは。オノヨーコです。今何してるの?もう他の作品は見てきた?」
私 :「ここに着いて他の作品を一通り見てきて、一番最後に今ヨーコさんの作品によったら、電話が鳴ってびっくりして。あ、外に人が一杯集まってきて、みんながこっち見てる〜!。人が一杯こっち見て、写真撮ってます〜!!」
ヨーコさん:「フフフ。あ〜ら、いいじゃない(笑)そういうのもたまにはいいもんよ。」
私 :「本当に。ちょっといい気分です(笑)(←一応ジョーダンのつもり)」
ヨーコさん:「私ねえ、今東京にいるの(うれしそうに)。」
私 :「知ってます。テレビで拝見して。広島に行ってらしたんですよね。お忙しくされて、お疲れじゃないですか?」
ヨーコさん:「ちょっとね。でも、平和のことだから大事じゃない、だから頑張っちゃった(笑)」
私 :「お体気をつけてください。素晴らしいことされてて、本当尊敬します。」
ヨーコさん:「どうもありがとう。あなたも素敵な夏を過ごしてね。」
私 :「ヨーコさんも。」


たったこれだけの会話なのですが、一昨日緊張して質問したのがウソのようにポンポンと言葉が出てきて、リラックスしてお話できました。彼女、話してて本当に可愛らしい。頑張っちゃった、なんて言われて、なんだかドキっとトキメキましたよ。世界のヨーコなのに、話はまるでガールズトークのようで楽しかった。あと、ハキハキしている反面、とても気遣いの方だなと思いました。私は友達と一緒にその小部屋にいたのですが、そのお友達がまた愛すべきとてもできた人で、私がどれだけヨーコさん好きか知っているから、電話は私が出るべきだと譲ってくれるわけです。で、私はリラックスしているといってもどこか舞い上がっているので、私からヨーコさんに、友達にも代わっていい?なんて聞かずに、自分が話し続けてしまってました。ほんと、私のだめな所なんだけど。そしたらヨーコさん、私が話した後に、「お隣の方がいたら、その人にも代わって。」と仰ってくださいました。そこで私は、そうやん私から気付かなきゃあかんやん(なぜ大阪弁)と反省、その後お友達もヨーコさんとお話して、二人で「オノヨーコと電話で話す」という貴重な体験をシェアできたんです。会場を出た後も友達と、今のすごかったよね〜、と同じ目線で興奮をシェアできるって、すごくうれしいことだな〜と実感。ヨーコさんに感謝です。

ところで今回の作品、元々他の作品を出展予定だったのに、3月の震災後、不安を抱える人々に今コミュニケーションが必要なのではと、急遽この Telephone in Maze を出展することにしたんだそうです。つくづく、かっこいいお方です。

そして参考になるかどうか。ヨーコさんからの電話は、昨日内覧会の日は1日4回かかってきて、今日一般公開初日は、私たちが出たのが1回目、午後3時少し前でした。きっと毎日の仕事の合間に、アシスタントさんに頼んで電話をかけてきているのだと思います。まだしばらく日本に滞在されるようだし、日本にいなくとも、会期中は不定期で電話をかけてくることになっているので、ラッキーな人は本物のオノヨーコさんとお話できるかもよん。

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美術手帖 2011年 09月号 [雑誌]

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